2012年5月12日土曜日

映画『Happy ~しあわせを探すあなたへ』

先日、映画『Happy』を観た。

個人的に幸せの研究をしている私にとって、「幸せ」「幸福」「Happy」というキーワードには敏感に反応する。

ただ、「幸せ」を題材にした映画となると、ありきたりな、ふわふわっとしたイメージで終わってしまうのかな、という先入観があった。

で、まず最初の感想。

この映画、私の本(『幸福途上国ニッポン』)を映画にしたら、こんな感じになるのかな・・・。というか、登場してくる心理学脳科学専門家の人たち、全員の文献を読んでるし、引用してる箇所なんかもほとんど同じ。さらに、日本の「過労死」も取り上げ、日本人の幸福度の低さについて問題定義もしている。半分ぐらいは、拙著の内容といっしょ!最新の科学的な幸福の研究に基づきながら、世界の人々を紹介している。

でも書籍では表現できない、映像ならではのインパクトも凄いと思った。
トラックに顔をひかれ、顔の半分が変形してしまった女性が、「今のほうが幸せよ」と微笑む姿にウソはない。本当の幸せのありかたについて、心に突き刺さった場面だった。

その他にも、インドのスラム街で生活する幸せな人々や、ブラジルの明るい老人サーファーなど、観ているだけでも幸せを共感できる人たちが沢山でてくる。

さすが世界16ヵ国を6年かけて取材したドキュメンタリーだけのことはある。

あえて言うと、「では、なぜ文化や社会体制の違いで幸せにも違いがでるのか?」という点については、疑問が残る作品でもある。でもそこまでをひとつの作品に求めるのは、ちょっと求めすぎかな。

少なくとも、いろいろと幸せについて考えさせられる作品であることは間違いない。

幸せに関心がない人はおそらくいないと思うので、誰にでもお勧めできる作品ですね。

5月12日(土)から25日(金)まで、渋谷アップリンクで公開してます!






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